赤坂利和くんの作品

本当の幸せ             赤坂 利和

あなたは幸せですねと
いわれて
素直にはいとこたえてしまう
でも
ときどきふと思うことがある
ほんとうに僕は幸せなのだろうか
ある人がいいました
人によって幸せの価値感は違うからね
僕も
そのとおりだと思う
幸せは
自分でかちとるものだと
思うから


解説

 赤坂くんは極めて重度の肢体不自由です。自分の身体で自由に動かせるのは瞼(まぶた)の開閉くらいで、ベッドで寝たきりです。身体の変形も進み、つらい毎日を送っています。
 でも彼は人から幸せですねと言われてしまうのです。
 彼と会話ができる人なら誰でも感じることですが(彼との会話は、常にこちらが問いかけ、彼が瞼(まぶた)の開閉でYes,Noの合図をすることで成り立つ)、彼は人の話をよく聞き、心から反応してくれます。よく笑ってくれます。冗談が大好きで、笑顔を絶やさない、そして純真な彼を、人はつい幸せですねと言ってしまうのです。私は彼をカウンセラー赤坂と呼んでいました。
 彼は身体の障害は重度であっても、心の障害は全くないと言い切れる人でした。
 この詩には彼の仏性がそのまま表れていると思います。

僕とコンピューターとの 出会い
                   赤坂利和

僕は 今まで 何にも できなかった
ただ 友達の A君に 言って
それを 代筆して もらうだけ
僕に できる 唯一の ことだった
ところが コンピューターと 出会って
僕は 自分で 喜びを知り
それを使う ことに よって
自分の中で 色んな 夢が ふくらんでいく
うれしさを 感じた
これからも 僕は どんな ことが あっても
コンピューターを つづけて いきたい

2000年10月20日
                     (阿久津 昭浩 パソコンで代筆)

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