コーヒー焙煎の神秘

焙煎前の生豆
生豆
焙煎豆
焙煎豆

 モカやキリマンジャロやマンデリンは、どこの喫茶店で飲んでも同じ味だろうと思っていらっしゃいませんか?
 じつは同じ銘柄でも、焙煎が違えば全然と言っていいほど違ったものになるのです。

 コーヒーは不思議なものです。焙煎前の生豆には香りも良い味もありません。加熱していくうちに、複雑きわまりない熱化学反応が連鎖的に起こって、茶色のコーヒー豆という産物になっていきます。

 含まれる成分は多種多様で、焙煎豆には約800種の化学物質が含まれており、ひとことでコーヒーの香りといっても、多種類の揮発性成分が混じりあった複合臭です。人工的にコーヒーの香りを作ることはまだできていません。

 生豆を加熱していく作業が焙煎ですが、その過程には吸熱反応あり発熱反応あり、ほとんどがいまだに究明されない化学反応で、それらが連鎖的に進行していきます。

 豆を煎っていくうちに化学変化が起こって、酸味、苦み、香りなどが生まれてくるのですが、そのときの火加減やいろんな条件が関係することで、苦み、渋み、酸味などが強く出過ぎたり、香りが出なかったり、あるいは香りの質が悪かったりするのです。

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