焙煎曲線
温度センサーとパソコンを使ってコーヒー豆の表面温度をグラフ化して記録し、各温度帯が味と香りにどう影響しているかをつかむ研究をしました。
加熱途中の特定の温度帯で火加減を変えるのです。結果として味と香りはどうなるか。このようなことを各温度帯で試していくのです。
これをグラフで表せば単調な直線にはならないです。これを焙煎曲線と呼びます。どんな焙煎曲線をたどったときに最高の珈琲ができるかを追求しました。
これは言葉で言えば簡単そうですが、困難を極める作業です。実験の結果は最後に飲んでみて判断するしかありませんが、各温度帯での加熱条件が結果に対して複合的に働きますので、なかなか単純にはいきません。
結果として、浅~中炒り、中深炒り、深炒りの強い香りを引き出すためには、それぞれ違った焙煎曲線が必要なことがわかりました。
また温度以外にも、水分と酸化還元の要因もあり、これらが時間軸とともに複合的に働くことが、焙煎作業を本当に難しく、迷宮にしているのです。